コート・ディジー
パキスタンのシンド州の北部、モヘンジョ・ダロから東北東60キロ、インダス川の左岸に広がる石灰岩台地の縁に位置する。1955年にF・A・ハーンによって発掘される。首が短く、球形の胴部を持ち、首の下から肩にかけて黒色の帯が塗られる短頸球状壺を特徴とするコート・ディジー文化の上層にコート・ディジー文化とハラッパー文化の土器が混在する時期を経て、インダス文明のハラッパー文化が発見された遺跡。
コート・ディジー文化の層より、すでに市街地と分離された城塞がつくられ、規格化された泥レンガ、三角陶板、魚鱗文や交差円文の土器彩文など、後のインダス文明に引き継がれる文化要素をもつことから、コート・ディジー文化はM・R・ムガルによって初期ハラッパー文化と呼ばれる。
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