ハラッパーの墓に副葬された一括の土器(529〜542)からは、人々のゆとりある都市生活がうかがえる。穀物や水、乳などを貯蔵し、食べ物を盛ったシンプルな形の器は、いずれも土器職人によって大量 生産されたものである。
土器の一部には、赤色の化粧がけの上から黒色顔料でボダイジュの葉やクジャクやカモシカなどの動植物、あるいは精緻な幾何学文様が描かれた。そこには、人々の美へのこだわりがうかがえる。