ウシに牽かせた荷車の模型。反り返る車体には、積荷を守る木枠が付く。こうして土器の行商に出かけたことであろう。今日のパキスタンで見られる牛車と同様、実物の車輪は板を組み合わせて作ってあったことが、ときに描かれる彩 文の様子から窺える。一部には、車輪の構造を表現したと思われる例もある。ウシをつなぐくびきの土製模型はナウシャローから出土している。
ほとんどの土偶は手捏でつくられたが、細かな細工を必要とする顔の部分には、このウシの頭のように型が用いられた。写実的な表現が見事である。