インダス川の河口からメソポタミアまでは、およそ2000キロの距離である。モヘンジョ・ダロやドーラビーラーを出航したインダスの商人は、陸づたいに舟を進めペルシャ湾、そしてメソポタミアの諸都市に向かった。
護符などに描かれた舟は、船首・船尾が反り上がり、船倉をもち、船尾には2本の櫂をもつ葦舟系統の舟であった。インダス文明の印章には舟と鳥とを描いたものがある。沿岸に沿って進み、外洋に出て陸を見失うと鳥を離して方角を知ったらしい。