メールはこちらまでhome地図リンク集年表スタッフ紹介サイトマップIndus Civilization とりまく環境あけぼのインダス文明後継者たち

 

 釈迦を祀るストゥーパの周囲にめぐらされた、欄楯(らんじゅん)を構成する笠石の一部。カルパ・ラター(如意の蔓)を口から吐き出す象を表している。象は全宇宙を支える動物として崇められた一方で、恵みをもたらす雨雲と同一視されて豊穣性を象徴する。こうした動物崇拝、あるいは自然崇拝は、インダス文明以前からインド亜大陸に見られたものである。

 

 左はストゥーパの欄楯の柱。侏儒(しゅじゅ)ヤクシャの上に立つ聖樹の精霊(ヤクシー)が浮彫されている。古代インドでは自然崇拝の対象であったさまざまな要素が神格化され、その多くが仏教に取り入れられてこうした仏塔の装飾などに用いられた。  右はパーラ朝期、仏教寺院の入口両脇に立てられた立柱。小さな祠堂とその中にたたずむ河川を神格化した女神ヤムナーやサラズヴァティー、さらにクベーラなどが浮彫りされている。主な河川は『リグ・ヴェーダ』などですでに女神として表現されており、それはその後のヒンドゥー教などにも受け継がれた。自然信仰を基層にもつ、インド文化の特質を物語るものである。

 
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