メールはこちらまでhome地図リンク集年表スタッフ紹介サイトマップIndus Civilization とりまく環境あけぼのインダス文明後継者たち

 
前2600年頃、インダス川とガッガル・ハークラー川の流域に計画都市が出現する。インダス文明の誕生である。各都市は、川をハイウェイとして緊密に結びつき、この地域に豊かで安定した社会をつくりだした。また、都市でつくられたさまざまな工芸品は、アラビア海を越えてメソポタミアなどに運ばれていった。

都市のかたち

地方ごとの特色

都市設計-城塞

都市設計-市街地

規格の統一

インダス文明の特徴は、綿密な計画に基づいて築かれた都市にある。都市は大沐浴場など公共建築物が置かれた政治的・宗教的な中心である「城塞」と一般 の家屋が密集する「市街地」とに分かれ、そのいずれもが壁で囲まれる。その建設は、、正確な計測技術に支えられた土木工事であったろう。文明全体で1500箇所を越える村落遺跡とともに、10箇所ほどの都市遺跡がこれまでに発見されている。


生活の器

都市の祈り

ものを運ぶ

暮らしの造形

銅・青銅の品々

身近な動物たち

インダス文明の人々は、動物の角とボダイジュ(菩提樹)を神聖視した。角をかぶりボダイジュを身につけた聖・俗世界の支配者が、崇拝の対象として印章の図柄などにも描かれている。 こうした支配者たちを華やかに彩ったのが、金や色とりどりの貴石を用いたアクセサリーである。とくにアルカリ溶液で白色の文様を描いた紅玉 髄製ビーズはインダス文明の特産品で、遠くペルシャ湾岸やメソポタミアにまで輸出された。


神官王

角への信仰

インダス式印章
インダス文字
身を飾る

紅玉髄製ビーズ

ビーズの加工

凍石製髪飾り

人物や動物の土偶、玩具、土器やその表面に描かれた彩文、あるいは金属・貝・貴石製品などからは、インダス文明の人々の豊かな生活の一端がうかがえる。都市に住む専門の職人たちがこれらの製品を精を込めてつくり、こうした活気は遠方の地との交易を促した。最先端の流行と情報が集まる都市の生活は、周辺の村の人々にとってあこがれであったろう。


ハラッパー

ドーラビーラー

ドーラビーラー復元CG

現在発掘中の都市遺跡として注目されているのが、アメリカ隊のハラッパー(パキスタン、パンジャーブ州)とインド考古局によるドーラビーラー(インド、グジャラート州)である。 いずれも前3000年頃にすでに村落が営まれ、また文明衰退後も数百年間人々が暮らしつづけたことが明らかとなった。インダス文明の形成と衰退の過程を示す新たなデータが提示された意義は大きく、今後のさらなる成果 が期待される。


アラビア海を西へ

西方世界との交流

メソポタミアの粘土板文書に記された「メルッハ」とはインダス文明を指す。インダスとメソポタミア・ペルシャ湾岸との交易は、インダス文字を記したボタン形印章や、紅玉 髄製品からも明らかである。イラン産の石製容器は、メソポタミア・湾岸からインダス文明地域まで広く分布している。また、饅頭形銅塊もマガン(オマーン)産の可能性が高く、ともに交易の証拠である。こうして多くの産物が東から西へ、あるいは西から東へと運ばれ、同時にまた、信仰や思想も伝えられたことであろう。

 
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